仙台市青葉区南吉成の歯医者・歯科医院|まさみ歯科

  • トップページ
  • スタッフ紹介
  • 医院案内
  • 診療案内
  • アクセス
  • https://www.kyujin-masamishika.com
歯合わせブログ

なぜ歯科治療にお薬手帳が必要なのか?

歯の豆知識
こんにちは 歯科衛生士の目黒です。
まだまだ寒い日が続きますが、お風邪など召されませんようお気をつけください。
さて今回はなぜ歯科治療にお薬手帳が必要なのか?について説明させていただきます。
歯科治療は全身の健康と密接に関係しています。
患者様の持病や治療薬に影響を受けるため、十分な配慮をして治療を安全に行うため、できるだけ正確な情報が必要です。
歯科治療では麻酔薬や抗生物質、鎮痛剤などの薬物が使用されることがあります。お薬手帳を提出することで、適切なお薬の選択や処方を行うことができ、アレルギーや副作用を予防することができます。



歯科治療を行う際に特に注意が必要なお薬が「血液をサラサラにするお薬」「骨粗鬆症のお薬」です。

血液サラサラのお薬
一般的には血液をサラサラにする作用があるお薬と言われますが、専門的には血液凝固阻止剤と言います。抗凝固薬と抗血小板薬の2つのタイプがあり、疾患に応じて使い分けています。
このお薬を服用されている場合、処置後の出血が止まりにくくなります。外科的な治療を行う場合は注意が必要となりますので、必ず事前にお知らせください。
『代表的な抗凝固薬』
ワーファリン(ワルファリン)、プラザキサ(ダビガトラン)、エリキュース(アピキサバン)、イグザレルト(リバーロキサバン)
『代表的な抗血小板薬』
バイアスピリン、プラッビックス、パナルジン、プレタール、エパデール、アンプラーグ、ドルナー

骨粗鬆症のお薬
骨粗鬆症は骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。女性は閉経後のホルモンバランスの変化により骨密度が低下し男性よりも罹患するリスクが高いです。
骨粗鬆症治療薬にはビタミン製剤やホルモン製剤など何種類かあります。
骨を強くする作用があるお薬のビスホスホネート系製剤(BP製剤)、ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤(デノスマブ)を一定期間以上服用中に抜歯やインプラントなど、顎の骨に刺激が加わるような外科処置を行った場合、顎骨壊死(顎の骨が壊死する)や炎症がひどくなるといった副作用があります。現在のガイドラインでは原則的に休薬をせずに外科処置を行うことが多いですが、状況によっては主治医に相談して、休薬あるいは代わりのお薬を処方してもらい治療を行うこともあります。
顎骨壊死は外科処置だけでなく、不衛生なお口の状態を放置することでも起こるため、日頃からお口の中を清潔に保ち定期的に歯科検診を受けることが大切です。

この他にもお口の中に影響を及ぼすお薬があります。
歯肉の増殖を招くお薬
『抗てんかん薬』
抗てんかん薬の中で、フェニトインという成分の入った薬を長期間服用した場合、副作用として50%以上の方に歯肉の腫れがみられます。お口の清掃状態が悪いと歯肉は赤みを増し、炎症症状が起こるので注意してください。
『カルシウム拮抗薬』
高血圧症や狭心症、心筋梗塞などの治療に使われ、血管の壁の収縮を抑えて血管を広げ、血圧を下げるお薬です。中でもジヒドロピリジン系(ニフェジピンやアムロジンなど)は副作用として歯肉の腫れが起こることがあります。

上記以外のお薬であっても治療に影響を及ぼす可能性がございますので、必ずお薬手帳をお持ちください。お薬に変更があった場合も同様です。