フッ素について
歯の豆知識
こんにちは。まさみ歯科の内ヶ崎です。
「フッ素を歯に塗ると虫歯を予防できる」というのをよく耳にしますが、一方で「フッ素は体に悪い」という情報もSNSなどで見かけることがあります。フッ素は歯磨き粉にも含まれており、歯磨きは毎日するものなので少なからず体の中に取り込んでいることになります。そう考えると心配になる方もいらっしゃると思います。そこで今回は、フッ素についてその効果や注意点についてお話します。
フッ素とは何か
フッ素は、カルシウムと同じようなミネラルの一種で、虫歯予防に効果的な元素です。自然界では、土壌に最も多く含まれ、他にも海水など、さまざまなものに含まれます。また、緑茶やウーロン茶、海産物、肉、野菜、果物など色々な飲食物にも含まれています。一般的にはフッ素と呼ばれていますが、本来フッ素とは原子名であると定義されており、正式には【フッ化物】といいます。虫歯予防のために歯科医院で用いられるものはフッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムと呼ばれるものになります。

フッ素の効果
フッ素には主に3つの特徴があり、これらの効果によって虫歯になりにくくすることができます。
■再石灰化の促進
通常、歯の表面は中性に保たれていますが、食事をすると虫歯菌が食べ物の糖質を分解して酸を生成します。この酸により歯の表面のカルシウムやリン酸が溶けだしてしまう現象を「脱灰」といい、溶けだしたカルシウムやリン酸が唾液の働きにより再び歯の表面に取り込まれる現象を「再石灰化」といいます。歯の表面は、常にこの脱灰と再石灰化を繰り返しており、脱灰のスピードが再石灰化のスピードを上回ると虫歯になってしまいます。
フッ素には、この再石灰化を促進し、歯にとって大事な成分であるカルシウムとリン酸が
歯に取り込まれやすくする働きがあるため、虫歯になりにくくなります。
■歯の質を強化して、酸で溶けにくい歯に
歯の表面のエナメル質はハイドロキシアパタイトという成分でできていますが、フッ素が歯に取り込まれることにより、エナメル質の一部がフルオロアパタイトやフッ化ハイドロキシアパタイトという溶解性の低い結晶になるため、虫歯菌の出す酸に対して溶けにくくなります。
■虫歯菌の活動を抑制
フッ素がプラーク(細菌の塊)に取り込まれると、虫歯菌の活動を抑制し、酸の生成を阻害するため虫歯になりにくくなります。
フッ素の効果的な取り方
【フッ化物歯面塗布】
濃度の高いフッ化物を年に数回、歯科医院で歯に塗ることによって歯の質を強化させる方法です。歯磨き粉で認められているフッ化物の約9倍の濃度のフッ化物を使用することができるため、高い虫歯予防効果があります。
まさみ歯科では、フッ化物ナトリウム(フルオールゼリー)9000ppmを年に2回歯面に塗布することをおすすめしています。
【フッ化物配合の歯磨き粉】
フッ化物が含まれている歯磨き粉を使用して歯を磨くことにより、歯の表面にフッ化物を取り込みます。どの年齢層でも手軽に実践できる方法であり、現在販売されている歯磨き粉の約9割にフッ化物が配合されています。
フッ化物の濃度は、6歳以上では1500ppmまで認められていることから、虫歯予防を目的として歯磨き粉選ぶ際は、なるべく高濃度のフッ化物が配合されている歯磨き粉を選ぶことを推奨します。
【フッ化物洗口】
フッ化物洗口は、比較的低濃度のフッ化物配合のうがい薬を使用してうがいをすることによって、萌出後の歯に直接フッ化物を作用させる方法です。

フッ化物塗布の注意点
過剰摂取のリスク
フッ素は適切に使用すれば安全ですが、過剰に摂取するとフッ素中毒のリスクがあります。
過剰摂取による副作用としては、歯のフルオロシス(歯の変色や斑点)、骨に影響を与える可能性があります。そのため、フッ化物塗布は適切な量を守って行う必要があります。
まとめ
フッ素は、虫歯予防において非常に効果的な方法であり、エナメル質を強化し虫歯の進行を防ぐことができます。ただし、過剰摂取に対する注意が必要であることも忘れてはなりません。毎日のケアと歯科医院での定期的なフッ化物塗布を組み合わせて、健康な歯を守りましょう。
「フッ素を歯に塗ると虫歯を予防できる」というのをよく耳にしますが、一方で「フッ素は体に悪い」という情報もSNSなどで見かけることがあります。フッ素は歯磨き粉にも含まれており、歯磨きは毎日するものなので少なからず体の中に取り込んでいることになります。そう考えると心配になる方もいらっしゃると思います。そこで今回は、フッ素についてその効果や注意点についてお話します。
フッ素とは何か
フッ素は、カルシウムと同じようなミネラルの一種で、虫歯予防に効果的な元素です。自然界では、土壌に最も多く含まれ、他にも海水など、さまざまなものに含まれます。また、緑茶やウーロン茶、海産物、肉、野菜、果物など色々な飲食物にも含まれています。一般的にはフッ素と呼ばれていますが、本来フッ素とは原子名であると定義されており、正式には【フッ化物】といいます。虫歯予防のために歯科医院で用いられるものはフッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムと呼ばれるものになります。
フッ素の効果
フッ素には主に3つの特徴があり、これらの効果によって虫歯になりにくくすることができます。
■再石灰化の促進
通常、歯の表面は中性に保たれていますが、食事をすると虫歯菌が食べ物の糖質を分解して酸を生成します。この酸により歯の表面のカルシウムやリン酸が溶けだしてしまう現象を「脱灰」といい、溶けだしたカルシウムやリン酸が唾液の働きにより再び歯の表面に取り込まれる現象を「再石灰化」といいます。歯の表面は、常にこの脱灰と再石灰化を繰り返しており、脱灰のスピードが再石灰化のスピードを上回ると虫歯になってしまいます。
フッ素には、この再石灰化を促進し、歯にとって大事な成分であるカルシウムとリン酸が
歯に取り込まれやすくする働きがあるため、虫歯になりにくくなります。
■歯の質を強化して、酸で溶けにくい歯に
歯の表面のエナメル質はハイドロキシアパタイトという成分でできていますが、フッ素が歯に取り込まれることにより、エナメル質の一部がフルオロアパタイトやフッ化ハイドロキシアパタイトという溶解性の低い結晶になるため、虫歯菌の出す酸に対して溶けにくくなります。
■虫歯菌の活動を抑制
フッ素がプラーク(細菌の塊)に取り込まれると、虫歯菌の活動を抑制し、酸の生成を阻害するため虫歯になりにくくなります。
フッ素の効果的な取り方
【フッ化物歯面塗布】
濃度の高いフッ化物を年に数回、歯科医院で歯に塗ることによって歯の質を強化させる方法です。歯磨き粉で認められているフッ化物の約9倍の濃度のフッ化物を使用することができるため、高い虫歯予防効果があります。
まさみ歯科では、フッ化物ナトリウム(フルオールゼリー)9000ppmを年に2回歯面に塗布することをおすすめしています。
【フッ化物配合の歯磨き粉】
フッ化物が含まれている歯磨き粉を使用して歯を磨くことにより、歯の表面にフッ化物を取り込みます。どの年齢層でも手軽に実践できる方法であり、現在販売されている歯磨き粉の約9割にフッ化物が配合されています。
フッ化物の濃度は、6歳以上では1500ppmまで認められていることから、虫歯予防を目的として歯磨き粉選ぶ際は、なるべく高濃度のフッ化物が配合されている歯磨き粉を選ぶことを推奨します。
【フッ化物洗口】
フッ化物洗口は、比較的低濃度のフッ化物配合のうがい薬を使用してうがいをすることによって、萌出後の歯に直接フッ化物を作用させる方法です。
フッ化物塗布の注意点
過剰摂取のリスク
フッ素は適切に使用すれば安全ですが、過剰に摂取するとフッ素中毒のリスクがあります。
過剰摂取による副作用としては、歯のフルオロシス(歯の変色や斑点)、骨に影響を与える可能性があります。そのため、フッ化物塗布は適切な量を守って行う必要があります。
まとめ
フッ素は、虫歯予防において非常に効果的な方法であり、エナメル質を強化し虫歯の進行を防ぐことができます。ただし、過剰摂取に対する注意が必要であることも忘れてはなりません。毎日のケアと歯科医院での定期的なフッ化物塗布を組み合わせて、健康な歯を守りましょう。