仙台市青葉区南吉成の歯医者・歯科医院|まさみ歯科

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歯合わせブログ

糖尿病について 2

歯の豆知識
まさみ歯科ブログをご覧の皆様、明けましておめでとうございます。
衛生士の諫山です。本年もまさみ歯科一同、皆様のご期待にお応え出来るよう、スタッフ一同努めてまいります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回は「糖尿病」についての第二段になります。10月にDH菅原から糖尿病とはどのようなものか、糖尿病の急性合併症についてのお話しがありました。
私の方からは、糖尿病の慢性合併症についてお話ししていきたいと思います。

糖尿病の慢性合併症とは・・
簡単にいうと、糖尿病の治療が不十分であると発病してしまう病気のことです。
糖尿病自体は、直接命に関わる病気ではありませんが、合併症を引き起こすことで命にも関わってきます。
糖尿病で一番怖いのは、糖尿病合併症を引き起こすことです!

合併症はどのようにして起こるのか・・

血管内の血糖値が高くなると、活性酵素が大量に発生して血管が傷つけられ、血管がボロボロになり、様々な合併症が引き起こすことになります。

糖尿病の合併症はどこで起こるのか・・


図のように身体のさまざまなところで合併症は起こります。歯科との関わりがある歯周病も糖尿病の合併症の1つになります。

三大合併症とは・・ 


糖尿病が引き起こす特有の3つの合併症になります。
糖尿病神経障害 
全身の神経の働きが障害されて起こる病気です。合併症の中でもっとも起こる頻度が高く、1型で2割、2型で3割の人が発症しています。高血糖状態が続くと、手足の血行が悪くなり、しびれや感覚のにぶりなどが始まり、悪化すると壊疽を引き起こし、下肢切断の危険も生じます。糖尿病患者の切断率は、健常者の15~40倍ともいわれています。

糖尿病網膜症
網膜の毛細血管が障害されて起こる病気です。血行障害から眼底の血管がつまり、視力低下から、悪化すると失明にいたります。成人で失明する原因の2位が糖尿病網膜症です。末期になるまで自覚症状はほとんどないので、定期的な眼底検査が重要になります。

糖尿病腎症
高血糖のために腎臓のフィルターがつまり、血液のろ過がうまくできなくなります。悪化すると腎臓の機能が失われてしまい、人工透析が必要となってしまう病気です。糖尿病腎症は、人工透析が必要になる原因の1位です。
糖尿病腎症も自覚症状がほとんどない状態で進行していく病気になります。

歯周病も糖尿病の合併症


歯周病も糖尿病の合併症の1つになります。歯周病は、糖尿病の6番目の合併症だといわれています。また、糖尿病だと歯周病に2倍以上かかりやすくなるともいわれています。

歯周病が糖尿病を悪化させるのはなぜ?


歯周病菌から出る内毒素(エンドトキシン)が歯肉から血管に入りこみ、TNF-α(腫瘍壊死因子)の産生を促進させます。TNF-αは、インスリンの働きを低下させる作用があるため、糖尿病を悪化させることになります。

歯周病を治療すると糖尿病がよくなる?


歯周病の治療をするとHbA1cが改善する!というデータがあります。歯周病がある人は糖尿病の治療が困難になりやすく、糖尿病がある人は歯周病になりやすく、重症化しやすいです。このように糖尿病と歯周病は、お互いのリスクを高めてしまうので、負のスパイラルといわれています。そのため、糖尿病には、歯周病予防・治療がとても重要になります。


最後に、はじめにお話ししたように糖尿病で怖いのは、合併症を引き起こすことです。糖尿病治療の目標も合併症を起こさない!悪化させない!の合併症の発症・進展の阻止になります。
また、糖尿病治療の5本の柱の中の1つが歯周病治療になります。私自身、歯科衛生士そして糖尿病療養指導士として糖尿病を理解し、合併症の発症・予防に関わっていけるよう、お口の健康を守っていくことが重要で責任をもたなければいけない事であると感じました。
これからも患者様に寄り添い、一人ひとりに適したアドバイスを行っていきたいと思います!